ﾌﾞﾗｯｸｫｰﾙﾅｯﾄ材を使ったﾀﾞｲﾆﾝｸﾞﾁｪｱｰ
ﾀﾞｲﾆﾝｸﾞﾁｪｱｰ008をベースに座面を板座にして欲しいとのご要望により製作しました。
ポイントは座面の形状でしょうか。角張りすぎず、可愛すぎず、収まりの良い形を目指しました。前脚の上部が座面を貫通している様に見えますが、これは決してデザイン上の造作ではありません。脚のホゾ穴側の強度を確保する為の機能なのです。
何かをベースにその一部を変更してオリジナルの形に仕上げるのは、家具をオーダーされる方にとって上手な楽しみ方だと思います。
一緒にﾀﾞｲﾆﾝｸﾞﾃｰﾌﾞﾙと食器棚を納めさせて頂きました。

実は、注文主は今年３月の能登半島地震に遭い、家財を失った若い女性でした。ふるさとを離れ、遠く輪島の地で漆器の修行を続けている中での被災だったそうです。修行の身でありながら決して安い買い物ではなかった事と思いますが、良いモノを使いたいという彼女の向上心に深い感銘を受けました。