ブラックウォールナットを使った収納２点と目隠しウォール。
金沢でご活躍の”林建築設計工房”さんからの依頼でＲＣ住宅のリフォームを機に造り付け収納を無垢材で製作する事となりました。無機質なコンクリートとシャープなウォールナットが良く似合います。
意匠はあくまでもシンプルに、この大きさとも相まって圧倒的な存在感を感じます。

機能としては、右手にメラミンを貼った引き出し。次にワゴン式のゴミ箱入れ、同じくワゴン式のパン焼き機・トースター収納。中央の扉は中折れ式とし、片方に寄せることでフルオープンにすることが出来ます。

もう一つの収納は階段下のスペースに設置。元々壁に取り付けていたオーディオにつながるようにカウンターを設けています。

ＲＣ構造といえども壁は結構ゆがんでいるものです。隙間が有ると気が済まない僕はそのことを想定し、背中側に３ｍｍの削り代を設けました。現地で鉋を使い、現物と合わせながら削り込んで調整を行う訳ですが、結果何とかうまく行った様です。カウンターの固定にも外から見える金具などは使わず、オールアンカーによる隠し止めです。

収納の顔は何と云っても扉にあります。着色はせず、木の色をそのまま使いますので、配列には特に気を使いました。縦を通し、偏らず、自然な表情に仕上がったと思います。
造作となると突き板を使ったフラッシュ家具が依然主流ですが、オイルフィニッシュで仕上げられた無垢材には、突き板では得られない特別な”質”を感じます。