N邸新築
  Material:ブラックウォールナット
 ・ダイニングテーブル
  Size:W2100×D850×H680
 ・ダイニングチェアー(ペーパーコード)
 ・格子戸
 ・ドア
 ・リビングボード
 ・カウンター
 新築されたお客様からご依頼を頂きました。ダイニングセットに始まり、建具・収納に至るまで全てブラックウォールナットで統一するというコンセプト。かなりのボリュームになり、私も気合いを入れて取りかかりましたが、とっても良いものに仕上がりました。
 まずテーブルは長さ2100mmの広大なもので、重量は60kgを越えます。これだけのサイズになると自重でまん中がたわんでしまいます。しかも引き出しを4箇所仕込んでいるため更に条件が悪くなりますが、特殊な構造をとりこれらをクリヤーしています。
 天板も、木目・色合いが整った良い木取りが出来ました。
 椅子は、格子状のデザインを取り入れて、形の上でも統一感を計っています。座面はペーパーコードとし、白黒のコントラストが印象的です。
 ペーパーコードは後から伸びるのでかなりきつく張る必要が有ります。これだけ一気に張ると手がグローブの様に腫れ上がります。


 右は納品直後の写真。上のキッチンカウンター天板もウォールナットで統一しています。
 広々とした明るいリビングにボリューム感のあるテーブルがたまらなくマッチしてくれて、思わずニンマリしてしまいました。”これで良かったんだ”と全ての迷いが整理される瞬間です。
 上から3枚の格子戸、ドア、リビングボード。格子戸は天井いっぱいの2400mmの高さが有る大きなものです。建具は通常反りを押さえる為、木目の通った針葉樹を使います。しかし今回はウォールナットを指定されましたので、どうやって反りを押さえるかが課題でした。さんざん悩んだ末、框はLVL(単板積層)構造としています。手間はかかりますが、永く使えるもの作りには欠かせない仕事です。
 最初はダイニングセットだけのつもりが、建具まで作らせて頂く事になり、まるで”クルミ屋敷”となってしまいました(実は表札までウォールナットです)。材の色が黒いので、室内が暗くならないかと心配しましたが、白い壁のおかげで調和がとれており、施主のセンスの良さを感じます。建築現場と連携しての作業は苦労する点も有りましたが、完成した時の達成感は格別です。何よりもお客様と一緒に悩み抜いたものが形に残る!何ものにも代え難いものが有ります。

 無垢の材料は、表から見ただけでその厚みや重量感が伝わって来るものです。施主のこだわりが将来3人のお子さんたちにも伝わり、受け継がれていく事と思います。