センターマーカー

 毎日暑い日が続きます。こう暑いと、いくら好きな仕事とはいえ、やる気が失せます。そこで、気晴らしと効率化を考えてまたまた治具作りです。

 椅子の貫用に丸棒をまとめて作る事になりました。丸棒自体は別記のラウンダーで加工しますが、仕上げのサンディングの為にテールストック用のセンター穴をあける必要が有ります。市販のセンターマーカーと呼ばれるものは、木口に専用定規で十字線を引き、その印をあてにしてポンチを打つ方式が多いようです。でもこれって2度手間だし、十字線基準では精度もいまいちだと思います。
 そこで、もっと簡単に、精度良くセンターが打てないか?考えたのがこれ。
 外観はこんな感じですが、しくみがわかるでしょうか?

 上部の小判形の中央にテーパー状の穴が掘ってあります。その下には金属製のピン(φ5mm)が刺さっていて、その先端はレースのセンターと同じ角度で研磨しておきます。。ピンとベースの間にはスプリングが入っており、ガイドを押し上げています。
 使い方は、治具を水平なテーブル上に置き、丸棒を垂直に立てて穴に差し込みます。この時テーパー部に丸棒がセンタリングされていますので、更に押し込めばその中心に正確にマーキングされる訳です。
 丸棒は正確に垂直でなくても構いません。多少傾いてもテーパーの接触位置とセンター位置が同じなので、影響は少ないです。但し、木口は予め垂直にカットしておいた方が良いでしょう。
 もちろん、ご覧の通り丸棒の径が変わっても対応できます。

 これを作るにはもちろんウッドレースが必要ですが、ちょっとしたコツが有ります。ピンが通る穴を曲がり無く正確にあける必要が有りますが、通常ドリル固定・ワーク旋回ですと穴が曲がってしまいます(切れ刃の不均一、木目など)。そこで電気ドリルを使って、ドリルもワークも両方回して加工すると、驚くほど真っ直ぐな穴をあけることが出来ます。これは金属加工の分野では良く知られた方法で、木の場合も理屈は同じ。

 これで、1アクションで正確なマーキングが可能となりました。簡単なしくみで、効果が高いと思いますので、皆さんお試しあれ。